「お金は大切に使いなさい」
そう言葉で伝えても、なかなか子どもには伝わりづらいものです。
でも、実際に“お金を使う経験”をすると、子どもは驚くほど素直に学び始めます。
その舞台としてぴったりなのが「スーパー」や「日常の買い物」。
ほんの数百円でも、「選ぶ」「比べる」「後悔する」といったリアルな体験は、
学校では教えてもらえない、実践的なマネー教育の場になります。
この記事では、家庭でできる「買い物トレーニング」の方法と、
子どもとの会話のコツ、注意したい落とし穴までご紹介します。
“買い物体験”はお金の感覚を育てる最高のツール
買い物という行為には、実はたくさんの学びが詰まっています。
欲しいものの中から選ぶ力 同じ商品でも価格や量を比べて判断する力 予算内におさめるやりくり感覚
特に、「失敗してみる」ことも貴重な学びです。
「買ったけど思ったより美味しくなかった」「似た商品があとで安く売ってた」
そんな経験から、次はどうするかを自然に考えるようになります。
お金は、ただ“渡す”よりも、“使う体験”を通じて価値を実感させることが何より大切です。
親子でできる買い物トレーニング3選
では、具体的にどんな買い物トレーニングができるのでしょうか?
我が家で実際にやってみて効果があったものを3つご紹介します。
① 予算を渡して「好きなものを選ばせてみる」
たとえば、スーパーに行く前に「今日は300円分だけ自分で選んでみていいよ」と予算を渡します。
ポイントは、選ぶのも、後悔するのも自由にさせること。
子どもは最初、「これとこれも欲しい!」と迷いますが、
だんだん「どうやって満足度を最大にするか?」を考えるようになります。
「安いけど量が多いものを選ぶ」「少し高くても本当に欲しいものに絞る」など、
大人顔負けの“コスパ判断”が生まれることも!
② セール品 vs 通常品を比べて「何が違うか」話す
店頭でよく見る「特売」や「割引シール」。
これも立派な教材です。
親:「こっちは安いけど、賞味期限が近いね」
子:「え、そうなの?じゃあ今日食べなきゃだめか」
親:「こっちは大きいけど、1個あたりの値段はどう?」
子:「え!そうやって計算するの?」
こんな会話をしながら、“値段の裏にある理由”を一緒に考えるクセがつきます。
③ 「おつり計算」をさせてみる
レジでのお会計後、「じゃあ、いくら戻ってくるはず?」と子どもに聞いてみましょう。
暗算ができない年齢でも、「500円払って、120円の商品を買ったら…」と
ゆっくり一緒に考えることで、お金の価値を数字で捉える力が育ちます。
おつりが少ない=高い買い物、という感覚も自然と身につきます。
子どもにどう声かけをする?会話のコツ
買い物中、つい口を出しすぎてしまいそうになりますが、あくまで「子どもが考える」ことが大事です。
おすすめの声かけスタイルは【質問型】です:
「なんでそれを選んだの?」
「あとで後悔しそう?」
「もし明日、別の商品を見たらどう思うかな?」
否定せずに、考えるきっかけを与えるような声かけがポイントです。
こんな場面に注意!ありがちな落とし穴
せっかくの学びの場も、ちょっとしたことで“ただの買い物”になってしまうことがあります。
よくあるNG例:
親が全部決めてしまう:「それは高いからダメ」→×
「買ってもらう」だけの買い物になる→“もらう”だけでは学びにならない
ごほうび条件になる:「これがんばったら買ってあげるよ」→教育ではなく取引になってしまう
あくまで、「自分で選んで、自分で使う」という体験に重点を置きましょう。
【まとめ】“使う経験”こそ最高の教材。家庭の中で「実践型マネー教育」を
お金をただ「大事にしてね」と伝えるより、
実際に使ってみることで、子どもたちは自分なりの“お金の基準”を育てていきます。
今回ご紹介した3つの買い物トレーニングは、どれもすぐに実践できるものばかり。
ぜひ親子でスーパーに出かけて、「今日だけ先生になる日」を作ってみてください。
次回は、「お金を“もらう”体験=お手伝い報酬」を通じて、
“働くこと”と“お金を得ること”のつながりを考える方法も紹介します!
・お手伝い報酬はアリ?ナシ!?|“お金は働いて得る”を伝える家庭での工夫
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